50㎏以下は献血できないは間違い!意外と知らない献血の条件とは!?

50kg以下でも献血できる!意外と知らない条件とは?

「何か世の中の役に立ちたい!!」と漠然と思ったとき、真っ先に浮かぶのは「献血」ではないでしょうか。

筆者の献血デビューは19歳の時。学校の帰りに友達と献血バスを見つけ、軽いノリで献血したのが最初です。

献血バスなので選択できるのが400ml献血しかありませんでしたが、体重もバッチリ足りていましたのでいざ突撃!献血前の検査でヘモグロビン濃度がギリギリでしたが、何とかクリア!!予想以上にふらふらになりながらも献血を終えることができました。

 

 

献血行ったことある?

時は過ぎ、まれにでる献血の話題の中に「体重50㎏ないから献血できない」という話をよく聞きくことがありました。特に女性は背が低い方であれば50kgない人は結構いますよね。

ですが実際のところ献血ルームに訪れて断られたのか確認すると、「1回も行ったことがない」という人がほとんどでした。俗に言う思い込みというやつです。

実は50kg以下でも献血できる

かく言う私も10年くらい体重50kgを下回っていた時期がありましたので、ずっと献血はできないと思い込んでいた一人でした。身内が病気で「成分献血」に命を救われ、再び献血に訪れたことでこれは間違いだと気付きました。

200mlは随時行っていない献血ルームが多いので、「全献血」であれば50㎏以上ないと断られる場合がありますが、成分献血」であれば女性は40㎏、男性は45㎏以上あれば献血できちゃうんです。意外とこの事実を知らない人は多いですよね。

知っておきたい献血の種類

献血には「全献血」と「成分献血」の二種類があります。皆さんがよく知る献血のイメージは全献血の方です。

 

献血の種類

引用元:献血の種類・基準|長野県赤十字血液センター|日本赤十字社

 

献血とは?

献血とは血液中のすべての成分を献血することで、一般的には「200ml献血」と「400ml献血」があり、現在医療現場からの要請が多いのは400mlとされています。

なぜ医療現場で400mlが重宝されるのかというと、副作用によるリスクが少ないからです。

例えば800mlの輸血を必要とする人がいる場合、400mlの献血であれば2人分の血液が必要ですが、200mlの場合は4人分必要になってしまいます。

 

400ml献血と200ml献血の患者の負担の違い

引用元:献血の種類・基準|長野県赤十字血液センター|日本赤十字社


400ml献血を行うことで輸血される側の人の負担(副作用によるリスク)を減らすことができます。

逆に献血する側にとっては200ml献血より400ml献血の方が負担になります。人の血液の量は、体重の約13分の1と言われ、血液の量の12%を献血しても問題ないそうです。

そこで、体重50㎏の人が献血をする場合と70㎏の人が献血する場合を比べてみました。

 

体重 血液量 献血できる量
50kg 3.8L 456ml
70kg 5.8L 696ml

(計算式)体重÷13=血液量 

     血液量×0.12=献血できる量(L)

 

実際、献血できる量は体重が重いほど多いということがわかりますね。献血できる量を比べてみると70㎏の人は50㎏の人より身体への負担が少なそうです。

これが45㎏の人だと献血できる量は408ml。かなりギリギリですね。なので余裕を見て50㎏以上という制限が必要になってくるんでしょうか。

ちなみに200ml献血は体の小さい乳幼児に使用され、日本全国での使用率は約5%になります。なので医療機関からの要請がない限りは行っていない献血ルームは多いようです。

成分献血とは?

成分献血には「血漿(けっしょう)成分献血」と「血小板成分献血」の2種類があります。採血をしながら遠心分離機にかけ、全血から血漿や血小板のみを分けます

血漿献血は主にその半数が血漿分画製剤として薬の原料として使用されます。

血小板献血は主にがんや白血病の人のに治療に使用されますが、有効期限が4日しかもたず、必要量の確保が重要になってきます。

献血成分献血どっちにする?

「全献血成分献血どっちを選べばいいの!?」はじめて献血する場合、どちらを選べば良いのかよくわからないですよね。条件別のおすすめをいくつかあげてみました。

献血がおすすめな人

  • 男性
  • 手短に献血したい
  • 体重が多い
  • 血管が細い人

20分程度で採血が完了するのが全献血の良いところ。男性の場合、50㎏という条件をクリアしている人がほとんどだと思います。女性は体重が足りない&事前の検査で引っかかってしまうことも多いので、健康自慢の男性にはぜひ全献血をお願いしたいです。

成分献血がおすすめな人

  • 女性
  • 献血する時間はたっぷりある
  • 後々負担が少ない方が良い
  • 血管が太い人

成分献血は60~90分時間がかかりますが、回復に時間のかかる赤血球を体内に戻してくれるので身体への負担が全献血より軽いとされています。ですが、血液を体内に元に戻す関係で注射針が全献血で使用されているものより太く、血管が細すぎると断られることも。

体重毎に採取量が異なり300mL~600mLの献血が可能なので、時間のある男性にもおすすめです。

献血の流れ

ここからは献血のおおよその流れをご紹介してゆきます。

1.献血の予約

「時間ができたから飛び入りで献血しよう」も全然OKなのですが、できれば献血は予約して行くのがおすすめです。「献血の呼びかけもしているし、空いているだろう」と思いきや、意外と待たされることがあります。

また、成分献血の場合は機材が少なく時間がかかる事や、枠が少ない印象があるので予約は必須です。

予約時に「全献血」か「成分献血血漿か血小板)」を選ぶことができます。

 

献血予約は「ラブラッド」が便利ですよ!!

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2.受付・問診

献血ルームに到着したらまずは受付に行きましょう。受付が済んだらタブレット端末での健康状態の入力になり、その後は医師による問診・血圧測定を受けます。

当日の睡眠時間や直前の食事時間、薬の服用の有無が重要になってきます。

3.ヘモグロビン濃度測定

ヘモグロビン濃度を測定するための採血を行います。

ここで採血結果で断られている女性を何度も目撃しました。看護師さんの話によると生理周期もかなり関係してくるそうです。血管が細いという理由で断られる場合もあります。

かく言う私も貧血気味でヘモグロビン濃度が低く、酷いときは3回連続で献血不可でした…!

4.採血

ベッドで採血を開始します。献血ルームの飲料は無料なので必ず持ち込み、こまめに水分補給を行いましょう。また、採血中はお手洗いに行けませんので必ず済ませておく&水分飲み過ぎには注意が必要です。

個人差がありますが、採血には全献血で10~20分程度、成分献血で60~90分時間がかかります。

5.休憩

採血後はベッドで少し休み、血圧が安定したら休憩室に向かいます。必ず指定された時間までは休憩するようにしましょう。

看護師さんの話によると、献血を甘く見て献血ルームで倒れてしまう方も結構いるようです。(私もその1人でした)

 

献血間隔・年間最大献血

実は献血できる回数や間隔には決まりがあります。血液は生命維持に必要なものですから、基本的に回復を待ってから次の献血ができるようになります。

年間献血数にも献血(400ml)は男性3回、女2回までと決まっています。1度献血に行くと必ず献血カードが発行され、日付が記録されるので間隔など参考にしてみて下さい。

効率よく献血ができる「ダブル献血」が推奨されていますので健康に自信がある方は是非。

献血間隔を考慮したダブル献血

引用元:【ダブル献血】400mL献血と成分献血のお願い!|新着ニュース・プレスリリース・イベント|千葉県赤十字血液センター|日本赤十字社

 

「ラブラッド」に登録しよう

「ラブラッド」は日本赤十字社が運営する献血Web会員サービスです。献血の予約をはじめ、献血記録や血液検査の結果の閲覧が可能です。会員登録には献血者コードが必要になります。

 

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2022年9月28日にはスマートフォン用アプリ版がリリースされました。ブラウザ版の機能+「アプリ版献血カード」「事前Web問診回答機能」「プレ会員」が追加されたようです。

献血Web会員サービス「ラブラッド」

引用元:献血Web会員サービス「ラブラッド」|献血について|日本赤十字社

 

私はまだ利用していないのですが、事前Web問診回答機能はかなり便利なのではないでしょうか。

【最後に】献血の目的は何でもOK!

現在私は2か月に1度のペースで成分献血に通っています。全献血は1度貧血で倒れてしまったことがあり、400mlは体に負担を感じることもあるのでなるべく控えています。なんせヘモグロビン濃度が低い&回復に時間がかかる体質なので…。

冒頭でも少しお話しましたが、私が定期的に献血に通いだしたきっかけは兄弟の子供の病気です。繰り返す病気の再発に血小板献血で何度も何度も小さな命をつないでもらいました。今も恩返しのつもりで献血に通い続けています。

 

「無料でジュースが飲みたい」

「暇つぶしに」

「ノリで何となく」

「話題づくりに」

 

献血するきっかけは何でもいいのです。

献血PRにいわゆる”萌えキャラ”が使われ賛否両論ありましたが、キャラクター目的でもいいのです。献血ルームのスタッフはみなさんとても優しいので、とにかく人の優しさに包まれたい方にもおすすめですよ。

採血した血液は薬や研究にも使われ、1滴も無駄にせず必ずどこかで誰かの役に立ちます。

これを読んで献血に興味をもっていただいた方、1度足を運んでみてはいかがでしょうか?